事業用の高圧受電設備や太陽光発電所、蓄電所などを運営していると、「電気主任技術者」という言葉を耳にする機会があります。
しかし、「名前は聞いたことがあるけれど、実際に何をしている人なのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、電気主任技術者の役割についてご紹介します。
電気主任技術者は法律で定められた資格者
工場や商業施設、発電所などの事業用電気工作物には、電気主任技術者の設定が必要です。 電気設備で事故が発生すると、
- 停電による事業停止
- 設備損傷
- 火災
- 感電事故
など、事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 そのため、設備が安全に維持・運用されるよう監督する専門技術者として、電気主任技術者が位置付けられています。
点検だけが仕事ではありません
電気主任技術者というと、「点検をする人」というイメージを持たれることがあります。 しかし実際には、
- 月次・年次点検
- 各種試験の実施
- 異常時の原因調査
- 修繕計画への助言
- 保安規程や行政手続きへの対応
など、幅広い業務を担っています。 いわば、設備の主治医のような存在です。私たちは、単に点検を行うだけでなく、事業の安定運営を電気の面から支えるパートナーでありたいと考えています。
本当に重要なのは事故を未然に防ぐこと
電気主任技術者の役割は、異常を見つけることではなく、事故や故障を未然に防ぐことです。
私自身、電力会社勤務時代には配電設備の保守管理業務に携わり、電線や柱上変圧器、開閉器(PAS)など多くの設備を管理してきました。その中で、設備がどのような過程を経て劣化し、どのような兆候を示すのかを実践的に学びました。
現在も、測定結果だけでなく設備の外観や設置環境、経年変化を確認しながら、「今は問題ないか」だけでなく、「将来問題になりそうな兆候はないか」という視点で点検を行っています。
現在の保安管理業務においても、測定結果だけでなく設備の外観や設置環境、これまでの変化などを総合的に確認しながら点検を行っており、設備が停止してから対応するのではなく、停止しないよう管理することが重要だと考えています。
発電所や蓄電所では運転開始前から重要
近年増加している太陽光発電所や蓄電所では、「運転開始後の点検をする人」というイメージを持たれがちです。 しかし実際には、
- 設計内容の確認
- 保安規程の整備
- 使用前自己確認
- 試験計画の確認
- 電力会社対応
など、運転開始前から関わる場面が数多くあります。 運転開始後の保安管理を円滑に行うためには、設備が完成する前の段階から関与することが望ましいケースも少なくありません。
近年では、再生可能エネルギー設備や蓄電所の増加に伴い、運転開始前から電気主任技術者が関与する重要性はますます高まっています。
良い電気主任技術者とは
資格を持っていることはもちろん重要ですが、それだけでは十分とは言えません。 実際の現場では、
- 現場をよく見ること
- 異常を見逃さないこと
- 関係者と円滑に連携すること
- トラブル時に迅速に対応すること
が求められます。 電気主任技術者は単なる資格者ではなく、設備の安全と事業継続を支えるパートナーとも言える存在です。
まとめ
電気主任技術者は、「電気設備の点検をする人」ではなく、「設備の安全を守り、事業の安定運営を支える専門技術者」です。 普段は目立たない存在かもしれませんが、電気設備が安全に運用されている背景には、電気主任技術者による継続的な保安管理があります。
丸山電気管理事務所では、設備の異常を発見するだけでなく、その先にある事故防止や事業リスクの低減を見据えた保安管理を心掛けています。
電気設備は事業の基盤であり、その安全性は事業の継続性にも直結します。だからこそ私たちは、現場を大切にしながら、事業者様に寄り添った保安管理を提供してまいります。

